タイ王国の概要とアセアン展望​

タイ王国概要

(2014年1月16日調査)

国名タイ王国(Kingdom of Thailand)
国王ラーマ9世
首相ブラユット チャンオチャ
首都バンコク
面積513,120km²(世界50位)
人口67,176,820人(世界20位)
言語タイ語
宗教仏教(95%)イスラム教(3.8%)キリスト教(0.8%)
通貨バーツ
名目GDP(2013年)3,872億ドル(世界24位)
一人当たりのGDP(2013年)5,674ドル(91位)
経済成長率(2013年)2.89%
失業率0.73%

タイの高度経済成長(出典:WIKIPEDIA)

経済の安定や外国企業の積極的な進出を背景にした1980年代以降の高度経済成長はすさまじく、1985年から1995年にかけての10年間、タイは年間平均9%の経済成長率を記録した。しかし、アジア通貨危機(1997年)によって経済は停滞した。この際にタイは1ドル/25バーツに固定していた固定相場制を廃止。1998年1月には1ドル/56バーツにまで値下がり、経済規模は10.2%も悪化した。
この危機は、特にタイの財閥の同族支配廃止や、外国資本の参入につながった。しかし、タイは外国への輸出を積極的に行ったことから1999年、経済成長率は再び4%台を記録、2003年には6%台を記録し、タイは好景気に逆転した。この好景気を背景に中流階級の台頭が起こっている。クーデターによるあおりも受けたため2008年は2.5%とやや伸び悩み、2009年はリーマンショックもあり-2.3%とマイナス成長も2010年は7.8%と再び高成長。このように年ごとに経済成長にばらつきがあり、80年代後半から90年代前半に見られたようなすさまじい経済成長からはやや落ち着いている。
タイ統計局の家計調査によると、1世帯当たりの平均所得は月2万903バーツ。バンコク首都圏の平均世帯所得は月3万7732バーツであり、地域別で最下位のタイ東北部の平均世帯所得は月1万5358バーツ。全国平均の1人当りの平均所得は月6319バーツである。

タイ経済成長率の推移

出典:世界経済のネタ帳

 

http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDP_RPCH&c1=TH&s=&e=

ASEAN(アセアン)の展望

ASEANは、1967年にベトナム戦争を背景に、東南アジアの政治的安定、経済成長促進等を目的に設立されました。

ASEAN発足からの加盟国の推移
1967年発足時インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ
1984年ブルネイ加盟
1995年ベトナム加盟
1997年ラオス、ミャンマー加盟
1999年カンボジア加盟
*現在計10カ国

ASEANは、総人口6億人、名目GDPは1.8兆ドル、一人当たり名目GDPは3,107ドル、域内総貿易額は2.1兆ドルに上ります。

AFTAの創設、及び周辺国とFTAを通じた貿易の加速

中国やインド、さらに日本や韓国、オーストラリア、ニュージーランドといった巨大マーケットに近いという立地上の優位性があります。これら6ヵ国合計の名目GDP(国内総生産)は世界の25%程度を占めています。

このような立地上のメリットを最大限に生かすために、ASEANは1992年、ASEAN経済圏の強化を目的に、加盟国が段階的に域内関税を引き下げ、ASEANを自由貿易地域とするAFTA(ASEAN自由貿易協定)の創設を決定しました。

AFTAの推進により域内関税の引き下げが行われるとともに(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ブルネイの6ヵ国で2010年までに例外品を除き撤廃完了)、周辺国とFTA(自由貿易協定)が締結されたことなどから、ASEAN諸国は周辺国との貿易が活発化しています。

ASEAN経済共同体(AEC=ASEAN ECCONOMIC COMMUNITY)が2015年末に発足

ASEANは、2003年、「ASEAN共同体」を創設することに合意。そして2007年1月のASEAN首脳会合においては、2015年までにASEAN共同体を設立の加速を採択しました。

2007年11月のASEAN首脳会合においては、ASEANの法的根拠となる「ASEAN憲章」 が署名されました。2009年には、「ASEAN政治・安全保障共同体」、「ASEAN経済共同体」、「ASEAN社会・文化共同体」のそれぞれの共同体設立に向けた中長期的な取り組みを示す「ASEAN共同体ロードマップ(2009~2015)」が策定され、共同体形成に向けた取り組みを加速しています。
このうち、「ASEAN経済(AEC)ブループリント」(行程表)には、ASEAN経済共同体の創設に向けた4つの柱の実施計画が盛り込まれています。

現状、AEC発足に向けた準備の進捗は目標の8割程度に留まっているものの、今後、域内においてモノ、ヒト、サービスの自由化が促進され、高度な経済統合が段階的に進展してくことで、ASEAN全体の競争力は高まっていくとみています。

【AECブループリント(工程表)】

出典:経済産業省

【ASEAN連結性マスタープラン】

出典:経済産業省